ソフィーとハウルは何歳?年の差と「90歳の少女」の意味

『ハウルの動く城』のソフィーは18歳、ハウルは27歳という設定で、2人の年の差は9歳です。ソフィーは荒地の魔女の呪いで、90歳のおばあさんの姿に変えられます。

ただ、映画を観た人が引っかかるのは数字そのものより、ソフィーの見た目が場面ごとに若くなったり老けたりすることのほうかもしれません。この記事では、2人の年齢と年の差、「90歳」という数字の出どころ、見た目の年齢が揺れる理由を整理します。原作小説での年齢や、声を演じた2人が当時何歳だったかもあわせて紹介します。

ソフィーは何歳なのか

ソフィーは18歳です。亡くなった父親の残した帽子屋で、お針子として働いている娘という設定です。

18歳にしては、ソフィーは落ち着いて見えます。地味な服を着て、カフェ・チェザーリの看板娘である異母妹のレティーとは対照的。自分はきれいではないと思い込み、店の奥で黙々と帽子を作っています。年齢より老けた心の持ち主として描かれているのが、冒頭のソフィーです。

18歳は、この先どう生きるかを自分で決める年ごろです。レティーは、長女だからと帽子屋を継ぐことにこだわる姉を心配しています。ソフィー自身は、父の店を守るのが当たり前だと思い、その先を考えようとしません。若いのに、人生の行き先をもう決めてしまっている。この心の状態が、あとで呪いの話につながります。

ある晩、閉店後の帽子屋に荒地の魔女が現れ、ソフィーは呪いで腰の曲がったおばあさんに変えられます。ここから物語の大半を、ソフィーは老いた姿で過ごします。

「90歳」という数字はどこから来たのか

おばあさんの姿のソフィーは「90歳」と紹介されることがほとんどです。公開当時の宣伝のコピーにも「ヒロインは、90歳の少女。」という言葉が使われました。

ただし、この90歳は、呪いの中身として決まった年齢ではありません。荒地の魔女は「ソフィーを90歳にする」と言って呪いをかけたわけではなく、姿を年寄りに変えただけです。90歳という数字は、老いた姿の印象を言い表したものと考えるのが自然でしょう。

見た目はおばあさんでも、中身は18歳の娘のまま。しかも老いた姿になったソフィーは、若い姿のときには言えなかったことを、ハウルにもずけずけ言えるようになります。「90歳の少女」というコピーは、この食い違いをひと言で表したものです。

ハウルは何歳で、ソフィーとの年の差は

ハウルは27歳とされ、18歳のソフィーとは9歳差です。王室付きの魔法使いのもとで学んだ腕の立つ魔法使いですが、髪の色が変わっただけでひどく落ち込むほど、子どもっぽいところもあります。

人物年齢
ソフィー(呪いの前)18歳
ソフィー(呪いをかけられた姿)90歳ほど
ハウル27歳
マルクル見た目は8〜10歳くらい

年齢の設定を知らずに観た人の印象はばらばらで、「ハウルはもっと若く見える」「ソフィーのほうが大人びている」という感想もよく出ます。ハウルが若く見えるのは、髪の色ひとつで寝込むような子どもっぽい振る舞いが多いからでしょう。ソフィーが大人びて見えるのは、ほとんどの場面をおばあさんの姿で過ごすからです。

僕は、この9歳の差が、映画の中では逆向きに働いていると考えています。年上なのは27歳のハウルなのに、城を掃除し、ハウルを叱り、家族をまとめるのは、おばあさんの姿のソフィーです。年の差よりも「どちらが大人として振る舞うか」が入れ替わっているところに、2人の関係の面白さがあります。

マルクルの年齢や、原作での姿はハウルの「待たれよ」は誰のセリフ?で紹介しています。

ソフィーの見た目の年齢はなぜ変わるのか

映画のソフィーは、呪いをかけられたあとも、ずっと90歳の姿でいるわけではありません。眠っているときや、サリマンの前でハウルのために言い返すときには、若い姿に戻っています。ところが、自分なんてと思ったり、気持ちが沈んだりすると、またおばあさんの姿に戻ります。

映画はこの理由を言葉で説明していません。描かれ方から読むと、見た目の年齢はソフィーの気持ちとつながっています。自信を持ったり、誰かのために動いたりするときは若く、「どうせ私なんか」と思うときは老ける。呪いは、ソフィーが自分にかけていた思い込みを、目に見える形にしたものだと読めます。

日本語版では、18歳のソフィーも、おばあさんの姿のソフィーも、倍賞千恵子が一人で演じました。英語版などでは、若い姿と老いた姿の声を別々の人が担当しています。

物語の終わりには、ソフィーは若い姿に戻ります。ただし髪だけは白っぽい色のまま。この髪の意味や、呪いがいつ解けたのかはハウルの動く城は結局どういう話?で詳しく整理しています。

原作小説ではソフィーとハウルは何歳か

映画の原作は、イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『魔法使いハウルと火の悪魔』(1986年)です。原作でも、ソフィーは18歳、ハウルは27歳。2人の年齢は映画と同じです。

違うのは、まわりの人物です。

人物映画原作小説
ソフィー18歳。帽子屋のお針子18歳。3人姉妹の長女
ハウル27歳27歳。生まれはウェールズで、本名はハウエル・ジェンキンス
妹異母妹のレティー1人実の妹のレティー(17歳)と、母の違う末の妹マーサの2人
弟子マルクル(見た目8〜10歳)マイケル(15歳)

原作のソフィーは「3人姉妹の長女はうまくいかない」というおとぎ話の決まりを信じ込み、自分の人生をあきらめています。荒地の魔女は、ソフィーを妹のレティーと間違えて呪いをかけました。呪いが自分の思い込みと重なっている点は、映画とよく似ています。

原作では、ハウルの故郷が今のイギリスのウェールズで、城の扉の一つがそこにつながっています。映画では、この設定はまるごと省かれました。27歳の魔法使いが、実は私たちの世界のウェールズから来た青年だという原作の仕掛けは、映画には出てきません。

声を演じた2人は当時何歳だったのか

映画の公開は2004年11月20日です。

役声公開時の年齢
ソフィー(18歳と90歳の両方)倍賞千恵子(1941年6月29日生まれ)63歳
ハウル(27歳)木村拓哉(1972年11月13日生まれ)32歳

ハウルの声の木村拓哉は、公開のちょうど1週間前に32歳になったところでした。役の27歳より5歳上です。

ソフィーの声の倍賞千恵子は、18歳の娘と90歳のおばあさんの間の年齢でした。63歳の声が、18歳の娘にも90歳のおばあさんにもなる。1人の声で年齢を行き来させたのは日本語版ならではで、この配役そのものが、年齢が揺れるソフィーという人物に合わせたものだと僕は見ています。

まとめ

  • ソフィーは18歳、ハウルは27歳とされ、年の差は9歳
  • 呪いをかけられたソフィーの姿は「90歳」と紹介されるが、呪いの中身として決まった年齢ではない。宣伝のコピーは「ヒロインは、90歳の少女。」
  • ソフィーの見た目は、気持ちが前を向くと若く、沈むと老ける。映画は理由を説明していない
  • 原作小説でもソフィーは18歳、ハウルは27歳。原作の弟子マイケルは15歳で、映画のマルクルより年上
  • 日本語版のソフィーは、18歳の姿も老いた姿も、公開当時63歳の倍賞千恵子が一人で演じた

ハウルの城は、愛知県のジブリパークにある「魔女の谷」で建物として再現されています。入れる券の違いはジブリパークのチケット7種類の違いにまとめました。

参考

  • ハウルの動く城 — Wikipedia — https://ja.wikipedia.org/wiki/ハウルの動く城
  • 魔法使いハウルと火の悪魔(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著、西村醇子訳、徳間書店)
  • スタジオジブリ 作品紹介 ハウルの動く城 — https://www.ghibli.jp/works/howl/

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