ナウシカのユパ様は何者?45歳の剣士の旅と漫画での最期

ユパ・ミラルダは、ナウシカの剣の師で、父ジルの古い友人です。腐海一の剣士と呼ばれながら争いを好まず、腐海の謎を解くために一人で旅を続けています。年齢は、映画の設定資料で45歳とされています。

映画ではナウシカを見守る頼れる大人ですが、原作の漫画ではまったく違う形で物語から退場します。映画しか観ていない人には、意外な結末かもしれません。

この記事では、ユパが何者なのか、何歳なのか、なぜ旅をしているのかを順に整理します。映画冒頭のセリフの意味と、漫画版での最期も説明します。

ユパ様の正体は何者なのか

ユパは、風の谷の族長ジルの旧友です。ナウシカに剣を教えた師でもあり、ナウシカは「ユパ様」と呼んで慕っています。

腕前は「腐海一」と称されるほどです。それでいて争いや殺生を嫌う人格者で、風の谷ではジルやナウシカと並んで尊敬を集めています。強いのに戦わない。ここがユパという人物の芯です。

剣だけの人でもありません。各国の文化や歴史、自然の仕組みにも詳しい教養人として描かれ、原作では土鬼(ドルク)の言葉まで話せます。旅先で見聞きしたことを持ち帰る、谷の外の世界を知る大人という立場です。

映画での初登場は、1年半ぶりに風の谷へ帰る途中の場面です。虫にさらわれたキツネリスを人間の子どもと見間違えて助けようと銃を撃ち、怒った王蟲(オーム)に追われたところをナウシカに救われます。腐海一の剣士が、子どもを助けようとして危ない目にあう。登場の仕方からして、この人の優しさがよく分かります。

映画で声を担当したのは納谷悟朗です。低く落ち着いた声が、谷の人々から頼られる大人の重みを支えています。

ユパは何歳なのか

設定上の年齢は45歳です。映画のガイドブックや、スタジオジブリの資料集『型録 I』(いずれも徳間書店)で、この数字が示されています。

作中のセリフで年齢が語られることはありません。長い旅の風格から、もっと年上に見えた人も多いでしょう。「おじいさん」と思われがちですが、設定では、50歳とされる父ジルとほぼ同じ世代。まだ働き盛りの剣士です。

45歳という数字を知ると、見え方が少し変わります。ユパは隠居した老人ではなく、まだ自分の足で答えを探しに行ける年齢の人物です。腐海を渡り歩く行動力も、この年齢なら自然に読めます。

なぜユパは旅を続けているのか

旅の目的は、腐海の謎を解くことです。腐海はなぜ広がり続けるのか。人はこの先、腐海とどう生きていけばいいのか。その答えを求めて、トリウマのカイに乗り、荷物を積んだクイを連れて各地を回っています。

映画では、風の谷の大ババがもう一つの理由を口にします。ユパは定めによって、谷に伝わる伝説の「青き衣の者」を探しているというものです。腐海の謎を解くことと、世界を救う人を探すこと。2つの旅は同じ方向を向いています。

原作には、この旅の重みが分かる場面があります。ユパは若いころ、一度だけ腐海の底に迷い込み、そこで毒のない砂を持ち帰っていました。のちに腐海の底へ落ちたナウシカは、そこで見た砂が、以前ユパに見せてもらった砂と同じだと気づきます。

僕は、ユパの旅を「答えの手前まで行った人の旅」と読んでいます。腐海の底の砂という手がかりを持ちながら、答えにたどり着くのはナウシカでした。師が長い時間をかけて集めたものを、弟子が受け取って先へ進む。2人の関係はそういう形で描かれています。

「また村が一つ死んだ」はどういう意味か

映画の冒頭、腐海にのみこまれた村の家で、ユパは住人の骨を見つけます。そこで口にするのが次のセリフです。

また村が一つ死んだ。行こう、ここもじき腐海に沈む。

「また」の一語から、ユパが同じ光景を何度も見てきたことが読み取れます。腐海の胞子が飛べば、村は人ごと飲み込まれていく。ユパの旅は、その繰り返しを見届ける旅でもありました。

このセリフは、観客に世界の状況を伝える役目も持っています。説明のナレーションを入れず、旅人の短いつぶやきだけで、人の住める場所が減り続けている世界だと分からせる。ユパが答えを探す旅の出発点が、映画の最初の場面に置かれています。

映画と漫画でユパのその後はどう違うのか

映画のユパは生き残り、漫画のユパは命を落とします。

映画(1984年)原作漫画(全7巻)
最後の姿エンディングで、アスベルと一緒に腐海の底へ向かう第7巻で、争いを止めに入って命を落とす
役目ナウシカを見守る師トルメキアと土鬼が和解するきっかけを作る

映画のユパは生きたまま物語を終えます。エンディングでは、ナウシカに見送られながら、まだ行ったことのない腐海の底へアスベルと向かいます。謎を追う旅は、若い仲間を連れてこれからも続くという終わり方です。

漫画のユパは違います。ナウシカが戦に出ると、ユパも腐海へ旅立ちました。アスベルたちと行動をともにしながら、ナウシカを追って土鬼の地へ。物語の終盤、腐海が一気に広がる大海嘯(だいかいしょう)が起きます。その後、生き残ったトルメキアと土鬼の人々が争いを始めました。

ユパはその間に入って争いを止めようとしました。トルメキアへの恨みを抱えた土鬼の女性が船内で手投げ弾を放ったとき、周りの人を守って左腕を失いました。外へ出たあとも、土鬼の兵たちの刃からトルメキアの皇女クシャナをかばい、そこで命を落とします。

ユパの死は、敵どうしだった両者が和解する出発点になりました。争いを嫌い続けた剣士が、最後は剣ではなく自分の体で争いを止めた。

遠く離れた場所にいたナウシカは、不思議な力でユパの死を知ります。そして土鬼の少年チククに、ユパを土鬼の地に葬ってほしいと心の声で伝えました。長く腐海と国々の間を旅した人は、かつての敵の土地に眠ることになります。映画の「見守る大人」とは別の、重い結末です。

原作漫画と映画の違いは、ユパ以外の人物や結末も含めてナウシカの原作漫画は映画とどう違う?にまとめています。

ユパとナウシカはどういう関係なのか

ユパはナウシカの師であり、父の友人です。ナウシカは久しぶりに谷へ帰ってきたユパを喜んで迎え、ユパもナウシカの力を高く買っています。

ユパとナウシカが恋愛関係なのか気になる人もいますが、作中にそうした描写はなく、公式の設定もありません。年の差もあり、描かれているのは師と弟子、あるいは親戚の大人と娘に近い信頼です。

僕は、ユパはナウシカにとって「谷の外を知る大人」の手本だったと考えています。父ジルは谷を守る人で、ユパは世界を見て回る人。ナウシカが谷の中にとどまらず、腐海や他の国の人々とも向き合えたのは、この2人の大人を見て育ったからでしょう。

まとめ

  • ユパ・ミラルダはナウシカの剣の師で、父ジルの旧友。腐海一の剣士ながら争いを嫌う人格者
  • 年齢は設定資料で45歳。老人ではなく、まだ働き盛りの剣士
  • 旅の目的は腐海の謎を解くこと。映画では伝説の「青き衣の者」を探す定めも語られる
  • 冒頭の「また村が一つ死んだ」は、腐海に人の住む場所が奪われ続けている世界を一言で伝えるセリフ
  • 映画ではアスベルと腐海の底へ旅立つが、漫画では争いを止めに入り、クシャナをかばって命を落とす

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参考

  • 風の谷のナウシカ 作品紹介(スタジオジブリ) — https://www.ghibli.jp/works/nausicaa/
  • 風の谷のナウシカの登場人物 — Wikipedia — https://ja.wikipedia.org/wiki/風の谷のナウシカの登場人物

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